鉄パイプのような堅さに憧れを抱きつつ 鉄パイプより堅いものとぶつかれば 負けて折れ曲がること必至と 僕はそれを武器にはしなかった でも中より下くらいの相手なら 大体に勝つことが可能だろう と 僕はそれを武器にしようと手に取った 少し重みを感じる程度 尺も強度にも満足 これなら僕にでも扱える しかし、次の瞬間はっとする 万が一 鉄パイプより堅いものとぶつかったとき 折れ曲がった鉄パイプを 僕になおす事ができるのか 答えははっきりしている こんなに堅いもの 僕にどうにかできるわけないだろう と 僕は やっぱりそれを武器にはしなかった それなら折れ曲がらないものを選べばいい と 僕は鞭を武器にしようと手に取った 元々やわらかければ 折れ曲がる心配はない しかし、次の瞬間はっとする 万が一 相手の武器が刃物だったとき 切り裂かれた鞭を 僕になおす事ができるのか それなら折れ曲がらず 切り裂けないものを選らばいいと 僕は剣を武器にしようと手に取った 鞭には負けず 鉄パイプにも十分対抗できるはずだ しかし、その剣を鞘から抜いたとき 切り裂かれた自分の皮膚を見てはっとする 万が一 切っ先が僕自身に向いたとき 間違いなく 僕はその剣に勝てない 僕は やっぱりそれも武器にはしなかった 僕に見合う武器は まだ見つからない
〔2006,08,09/散文詩〕