ロマンのない白翼の仮説

背に 常に重みを感じる

「鳥のように空が飛べたら」
「雲のように空を漂っていられたら」

人は 常に見えぬ重みを感じて生きている
だから空に 上に 空中に 憧れるのではないだろうか

なぜ天国は上にあるのか
なぜ死者には翼が生えるのか

誰かがそれを見たのだろうか
誰かがそう言ったのだろうか
そうかもしれない

または
誰かの科学的な見解だろうか
誰かのオカルト的な見解だろうか
そうかもしれない

けれどもう一つの可能性として 私は

「死」に「解放」という概念を持っている
残された人間の
逃げ道のない人間の
最期の最期の人間の

希望への執着が生んだ ただの幻想なのかもしれない、と



〔2006,03,24/散文詩〕