流れ出る

不意に込み上げたものがあった
それは冷えた頬に じんわり温かく流れた
そして止め処なく 次から次へと流れ出た

悲しくて泣いても 悔しくて泣いても
いつもそこには雑念が付きまとっていた
感動しても容易にそれを流す事ができずにいた
人目を気にしていたわけじゃない
独りぼっちでも 周りが闇に満ちている場所であっても

もしかしたら 私が一番気にしていたのは自分自身じゃないかって
そう思い始めて
自分の気持ちがいつも信じられなくて
それが本当の私か確信が持てなくて
もしかしたら 私の中に二人いるんじゃないかって

悲しみに堕ちようとすると 片方がいやらしく手を差し伸べてくる
無視しても耳元で囁いてくる
それは騒音のようだけど 私はその一つ一つを聞き逃す事ができずに
いつの間にか それの流れをせき止めて
私も 在るべき闇に還ってる

流し続けた
それに溺れるかのように 我武者羅に流し続けた
もう戻れないのだと この傷の痛みが知らしめる
この傷から流れ出るそれは止め処なく 故の涙



〔2005,10,25/散文詩〕