言葉に心が宿らないもどかしさ

自分のひとつ、ひとつの言葉が 余りに弱く感じられる
「無力」と言いたいわけじゃない
ただ自分の心を 自分の言葉で声に出したいだけなのに

自分の中に留まっている間は ものすごい熱を持っていた
外に発散しないと破裂してしまいそうなほど

なのに あっけない

気持ちの奥底で 大規模な爆発を望んでいた
しかし声には 望んでいたような強さは宿らなかった
言葉には 抱いていたような感情は宿らなかった
大事にしてた心まで 一緒にすーっと抜けてしまった気がして
「もったいない」と思ったくらい


掠れた 不始末な 出来損ないの音
耳をすませば微かに聞こえるミミズの鳴き声が 同等の自分を主張する
(そうじゃない。そうじゃない。そんな事を言いたいんじゃない)
自分の世界では恐竜ほどの大きさもある ひとつ、ひとつの言葉が
海ほどの広さを占領しかけていたというのに
一歩外に飛び出せば 塵程度でしかないというのか

人間一人を溺死させるかもしれないというのに
宇宙の空気は なぜこんなにも冷ややかなのか
内部の熱の塊を一瞬で凍らせてしまうほど 冷ややかなのか

今 また新たに抱いた心さえ 生温いと言うのだろうか



〔2006,05,06/散文詩〕