湖の夢

暗い 虚無というべき空間が
小さく脆い自分を圧迫してくる
拠り所もなく ただ、背を丸めて湖の真ん中に立つ

それは浮遊感 恐ろしく気持ちの悪い浮遊感

胃から何かがせり上がる
身体を揺すり ありったけの水分を搾り出すかのように


外気に触れた私の水分は やがて落つ
水面を揺すり この世を騙るかのように 宇宙の形を描く

空になった私の入れ物は やがて堕つ
水と一緒に捨てた孤独など やがて忘れる
忘れ 自分が捨てたとは気付かずに根から吸い上げるのだ
忘れ 「愚か」「愚か」と啼きながら

ぶり返す 湖の夢



〔2006,03,24/散文詩〕